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金の価格が最高値更新、投資対象としての金の基礎知識と価格が上昇する理由

7月27日、金の価格が1オンス当たり1943ドルまで上昇し最高値を更新したことがニュースになりました。その後、金の先物も初めて1オンス当たり2000ドルに達し、最高値更新を記録しました。そこで本稿では、投資における「金(ゴールド)」の基本的な知識から、最高値を更新した経緯などを紹介していきます。
リスクオフで買われる金
投資用語にリスクオン、リスクオフ(安全資産が投資家に買われる)という言葉があります。例えば米中経済摩擦などが悪化したニュースが飛び交えばリスクオフの状態になり、逆に摩擦緩和であればリスクオンの状態になるということです。リスクオフの特徴は金や円など安全と考えられる資産に資金が流れることです。株式投資などは敬遠される傾向があります。
現在の市況に関しては、コロナの影響によってリスクオフのように感じられます。外食や旅行、宿泊、航空業界の決算発表は赤字が多いため株価は世界的に大きく落ちました。そうなると投資の資金は安全資産とも呼ばれる金へ流れ、その価格は上昇していったという流れになります。
しかし今回は、金だけでなくハイテク株も好調となっていました。グーグルの親会社であるアルファベットやフェイスブック、アマゾン、マイクロソフトといった企業の株価が3月に大きく値を落とした後、すぐに回復し上昇しています。これらハイテク株やインターネット関連株が多く上場しているナスダック市場の全銘柄で構成された、ナスダック総合指数は7月に最高値を更新しました。
投資対象としての金の特徴とは?
それでは金に話を戻します。金はその希少性や加工のしやすさなどの特徴から、価値の保存としての手段でもあり、金の通貨などで知られているように貨幣として利用された歴史もあります。
そして投資対象としての金は、もちろん価格は上下を繰り返していますが比較的安定していることが魅力とされています。そのため今回の新型コロナウイルスの世界的流行など、世界情勢の悪化や不況などの際に、資産としてリスクの高い株などの金融商品が売られその代わりに金が買われ価格が上昇します。
金の価格が上昇する流れを理解したとことで、7月にその価格が急上昇した経緯を見ていきたいと思います。
新型コロナで金の価格が上昇する理由
まず前提として新型コロナウイルスのまん延により、あらゆる活動が停止せざるをえなくなり世界の経済は停滞しました。
そこで各国の政府はそのような経済の状況を何とかしようと、金融緩和緩和を行い市場にお金を流し経済の立て直しを試みます。そうすると、世の中にお金が増えるため貨幣の価値が下がることになります。このような状況になると投資家たちは自分の資産を守るため、価値の保存機能を持つ金を購入し、金の価格が上昇していったというのが簡単な流れです。
日本でも新型コロナの影響に対応して日銀が金融緩和を発表しています。詳しくは下記の記事をご覧ください。
【関連】コロナに対応する日銀の追加金融緩和とは?国債や日銀の基礎知識また金と同じく安全資産と呼ばれている米国債からも資金が流れている可能性がありそうです。ニューヨークタイムズによると、投資家らは向こう10年の年間インフレ率の平均を1.5%と見ているようで、米国債10年物利回りが約0.6%に下がったことにより、国債への投資は実質的に資産が減少する可能性が出てきました。
そのため、資産を減少させるより配当や利子が無くても価値の保存としての機能を持つ金へ投資した方が良いという判断から、金へ資金が流れたという可能もあるとされています。
新型コロナウイルスの感染者数は増加し続けるなか、悪化の一途をたどるアメリカと中国の関係など、依然として不安定な状況が続きそうです。