FXトレードで押さえたい重要イベントやニュース、経済指標とは?
FXトレードでは、避けては通れない重要イベントやニュース、経済指標などが多々あります。
中でも主要通貨の値動きに特に大きな影響を与えるものは、必ずチェックしたいところです。
そこで特に押さえておきたい重要なものを中心にお伝えしていきます。
FOMC政策金利発表とFOMC議事録公表
FOMC(Federal Open Market Committee)とはアメリカの政策金利を決定・発表する米連邦公開市場委員会のことです。
年8回6週ごとの定例会合と、必要に応じて臨時会合が開かれ、その中で決められた政策金利発表と、その3週間後に公表される議事録は米ドルだけでなく、世界中の通貨に影響を与える重要指標です。
もし、利上げ決定となれば金利の高い通貨が買われるという市場原理から「ドル買い」相場となります。
その場合、米ドルとの通貨ペアである「ドル円」は、ドル高円安で上昇、ユーロ米ドルやポンド米ドルなどの通貨ペアは、反対に下落へと動きます。
また、金利発表で金利が据え置きになっても、FOMC議長や理事達のアメリカ経済に対する見解や将来の見通し、さらに今後の金融政策の方向性などが示されます。
近いうちに金利が変更されそうだと市場が判断すれば、それを材料として大きく売買されることもあります。
見解や金融政策の今後の方向性についてはFOMC議事録の議事内容でも示される場合があるため、同じような市場の反応が見られる場合があります。
いずれにしてもFXトレードにおいては、取引通貨ペアに関係なく知っておくべき最重要指標でしょう。
米国雇用統計
10数項目にわたる指標がまとめて発表されますが、特に米ドルの値動きに大きな影響を与えるのが「非農業部門雇用者数」と「失業率」になります。
発表前に主要な金融機関から事前予想の数値が公表されますので、事前予想と実際に発表される数値との乖離が相場に大きく影響します。
相場的には非農業部門雇用者数が増加し、失業率が低下となれば景気は上向きと判断されます。
さらにそれらの数値が事前予想を上回っているとなれば「ドル買い」となります。
反対の結果の場合は相場も基本的にこれらの反対方向に動く場合が多いと言えます。
「非農業部門雇用者数」と「失業率」で異なる結果、例えば非農業部門雇用者数が良くて失業率が悪い際には、非農業部門雇用者数の結果が重視されることのほうが多いでしょう。
ECB政策金利発表・日銀金融政策決定会合
ECB(European Central Bank)とはEU圏の欧州中央銀行のことで、ECB政策理事会の中でユーロの政策金利や金融政策を決定します。
政策金利については毎月1回目の理事会で決定され、事前予想と比べた場合の、実際の結果や今後の金融政策見通しによって、ユーロ相場に大きな影響を与えます。
日銀金融政策決定会合は、日本の中央銀行である日本銀行によって年8回開催される会合のことで、政策金利や金融政策について決定します。
会合が終了するとすぐに結果が公表され、市場での予想や今後の政策の方向感などによってドル円などの値動きに影響を与えます。
その他の重要指標(アメリカ・ユーロ圏・オーストラリア・中国)
上記でご紹介したいくつかの指標が、まず押さえておきたい重要なイベントや指標となりますが、それ以外にもアメリカのものを中心に重要な指標があります。
アメリカの景気関連指標としては「GDP(国内総生産)」「ISM製造業景気指数」「鉱工業生産」「ミシガン大学消費者信頼感指数」などが挙げられます。
ユーロ圏では「IFO景況感指数」「ZEW景況感指数」の他、ユーロ圏の経済でリーダーシップを取るドイツの「GDP(国内総生産)」も重要です。
豪ドルについては、RBAによる政策金利の発表の他、オーストラリアの主要な輸出先である中国の経済指標からも影響を受けます。
中国の「GDP(国内総生産)」「CPI(消費者物価指数)」「PMI(購買担当者景気指数)」などの結果は豪ドルの値動きに大きな影響を与え、指標発表時に大きく動くこともあります。
重要イベントや経済指標発表時のトレードで注意すべきポイントとは
重要なイベント内容や経済指標は、FX会社から無料で配信されていますので必ずチェックしましょう。
またこれらのイベントや指標発表時には大きく値が飛ぶことも珍しくありません。
ポジションを持っている場合、FOMCや雇用統計前など最重要指標の前はポジションを解消しておくほうが安全です。
また、経済指標発表直後のトレードは注文したい価格で注文できず、実際の約定価格が大きくずれてしまう「スリッページ」や「スプレッド」の拡大には注意したいところです。
FXのトレードをする上で知っておくべき重要イベントや経済指標についてお伝えしました。
指標発表時の値動きは荒くなりがちなだけでなく、スリッページを避けられない場合やFX業者のスプレッドが広くなったりする場合もありますので十分に注意しましょう。