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Pipsとは?計算方法や目安などFX初心者でも分かりやすく解説
目次
FXでよく目にするピップス(pips)とは?
ピップ(pip)とは「パーセンテージ・イン・ポイント(Percentage In Point)」を短縮したもので、「Pips(ピップス)」とは「Pip」の複数形のことです。FXの世界における値幅の最小単位の事で、為替が変動するときの最小値の事を1pips(ピップス)といいます。
このpipsの値は通貨ペアによって異なりますが、ドル円では0.01円、ユーロドルでは0.0001ドルというように決まっています。下記が通貨ペアと1pipsがいくらを示しているのかまとめたものです。
通貨ペア例 | 1Pips |
---|---|
米ドル/円 ユーロ/円 英ポンド/円 豪ドル/円 NZドル/円 スイスフラン/円 加ドル/円 南アフリカランド/円 |
0.01円 |
通貨ペア例 | 1Pips |
---|---|
ユーロ/米ドル ユーロ/米ドル 英ポンド/米ドル 豪ドル/米ドル NZドル/米ドル |
0.0001米ドル |
先日、米ドル/円の買いで76.80円から76.90円の「10Pips」の値動きがあった。
⇒この場合、「10Pips = 0.1円(10銭)」為替が動いたことを表します。
国内FX業者の主要通貨スプレッド(pips)比較例
会社名 | 米ドル円![]() |
ユーロ円![]() |
豪ドル円![]() |
ポンド円![]() |
ユーロ米ドル![]() |
---|---|---|---|---|---|
DMM.com証券 | 0.3銭 | 0.5銭 | 0.7銭 | 1.0銭 | 0.4pips |
GMOクリック証券(FXネオ) | 0.3銭 | 0.5銭 | 0.7銭 | 1.0銭 | 0.4pips |
会社名 | 項目 | |
---|---|---|
DMM.com証券 | 米ドル円 | 0.3銭 |
ユーロ円 | 0.5銭 | |
豪ドル円 | 0.7銭 | |
ポンド円 | 1.0銭 | |
ユーロ米ドル | 0.4pips | |
GMOクリック証券(FXネオ) | 米ドル円 | 0.3銭 |
ユーロ円 | 0.5銭 | |
豪ドル円 | 0.7銭 | |
ポンド円 | 1.0銭 | |
ユーロ米ドル | 0.4pips |
※スプレッド:原則固定(例外あり)
FXではなぜpipsという単位が使われているのか?
FXで使われているpipsが何を示しているのかは理解できたと思います。しかし、ドル円の場合だと1pips = 0.01円なので、わざわざ使いなれていないpipsではなくて、すべて円や銭で表記した方が分かりやすいと考える方もいるかもしれません。それでは、なぜFXではpipsという単位を使わなければならないのでしょうか?
FXでpipsが使われているのは主に2つの理由があります。
pipsは通貨ペアに関わらず比較しやすい
FXのトレードでpipsが採用されている1つ目の理由は、通貨ペアを問わずトレードパフォーマンスやスプレッドなどの表記ができ、比較しやすいためです。
例えば米ドル/円の他、ユーロ/円などクロス円と呼ばれる通貨ペアの場合、円がペアとして組まれているので「円」や「銭」といった表記で比較しても構いません。しかしユーロ/米ドルやユーロ/豪ドルのような通貨ペアの場合はそのような表記が不適切になってしまいます。
このような通貨ペアは日本円が全く関係してこないので、そもそも円で表記することができません。
その一方でpipsを用いれば、どの通貨ペアでも同じように損益やスプレッド差などについて表記することができます。例えば一日のトレード成果は「今日は20pipsの利益が出た」などとよく表現されます。
一日のトレード成果を表現するのにpipsを使った場合、通貨ペアの違いに関わらず米ドル/円でもユーロ/米ドルでも同じように表現できます。
pipsは円では表現できないトレードパフォーマンスを表記できる
もう1つの理由としては、取引数量に関係なくトレード成果などを伝えることができる点です。
例えば「FXで100万円の利益が出た」場合でも、100万円の証拠金で獲得した場合と1,000万円の証拠金で獲得した場合ではパフォーマンスが全く異なります。
以下の比較事例は「異なる証拠金で100万円の利益を獲得した場合の比較」です。
この事例では当然のことながら、100万円という証拠金で100万円の利益を獲得できたAさんの方が、より多くの証拠金で同じ利益を獲得したBさんよりトレードが上手かったということになります。
そのためpipsでは、単純に利益を「○○万円」と円で表記しただけでは分からないパフォーマンスの良し悪しの見分けが可能になります。
別のケースを考えると、トレード成果を公開したいものの、実際にトレードで獲得した成果を金額で公開したくない場合にはpips表記を使ってみると、金額ではなく単純なトレードのパフォーマンスを公開することができます。
このようにPipsを使えば取引数量や獲得した利益の額に関係なく、その人のトレード成果などを表記することができます。
FX初心者がpipsを活用する際の注意点とは?
これまで説明してきたようにpipsは、トレード成果やスプレッドなどを表示するのにとても便利ですが、注意すべき点もあります。それは必ずしも表示される「桁数」が同じではないことです。
特にFX会社が提示するスプレッドの表記には例外があります。どの値が1pipsを表しているのが混乱する可能性もありますので注意が必要です。それでは、もう少し具体的な例を交えて解説していきます。
スプレッドの例外・注意
「米ドル/円」の場合、「1pips」は「0.01円」であると説明しました。
この場合、FXのトレード画面の表示では下記のように表示されるのですが、
しかし利用するFX会社によっては、表示される桁数が以下のように表示される場合があります。
この場合、小数点第3位の値は「0.1pips」となります。このように表示されることで、「0.1pips」単位まで意識してトレードできるため、為替の細かな変動も確認ができるのでこれからFXを始める場合には、FXの世界での値動きをより強く実感できるのではないかと思います。
またスキャルピングなどの短期売買での取引を行う場合には、0.1pipsという単位が重要になります。
初心者の落とし穴、pipsで損切は危険?
FXできちんと利益を出せるようなトレードをするためにはpipsを理解する必要があります。その一方で、まだFXを始めたばかりの初心者がpipsにこだわり過ぎると失敗するケースがあるので注意が必要です。それではpipsの注意点について詳しくみていきましょう。
上記で説明したように、pipsはトレードのパフォーマンスを知るのに便利です。そのため、注文を出す際に、「利確は40pipsで損切は20pipsでしよう」といったようなルールを決めることもできます。
しかしこの方法だと、 同じ「0.1pips」の損失でも証拠金が10万円なのか1万円違いによって実際の資金の損失は変わります。そのため、初心者の方はまずpipsよりも実際の資金の損失を見ながらトレードした方が良いでしょう。基本的にトレード画面には「pips損的」と「概算損益」が表示されているので、pipsと実際の損益の減り具合を見ながらトレードしてみるのが良いでしょう。
Pipsの利益計算の例
ここからは、pipsを使って実際の利益を計算してみます。
すでに説明したように、
米ドル円・クロス円の通貨ペアなら「1pips=0.01円(1銭相当)」
円を含まない通貨ペアの場合は「1pips=0.0001通貨単位(ドルなら0.01セント相当)」
である点を思い出してください。
それでは下記に米ドル円をトレードして100Pips獲得した場合の計算例を取引通貨単位ごと(1000通貨単位、1万通貨単位、10万通貨単位の3種類)に算出してみます。 是非Pips理解の参考にしてみてください。
米ドル円(1ドル=100円の場合)で100Pips獲得した場合
米ドル円をそれぞれ1000通貨単位、1万通貨単位、10万通貨単位でトレードして100Pips獲得した場合の利益は以下のようにして求められます。
→「1,000円×0.01円×100(Pips)=1,000円(=獲得利益)」
「1pips=0.01円」なので、1,000通貨単位で取引した場合の1pipsの利益は「10円」となります。
よって、100Pips獲得した場合の利益は100pips×10円(1pipsの利益)で1,000円です。
→「10,000円×0.01円×100(Pips)=10,000円(=獲得利益)」
「1pips=0.01円」なので、1万通貨単位で取引した場合の11Pipsの利益は「100円」となります。
よって、100Pips獲得した場合の利益は100Pips×100円(1Pipsの利益)で1万円です。
→「100,000円×0.01円×100(Pips)=100,000円(=獲得利益)」
「1pips=0.01円」なので、10万通貨単位で取引した場合の1Pipsの利益は「1,000円」となります。
よって、100Pips獲得した場合の利益は100Pips×1,000円(1Pipsの利益)で10万円です。
なお、実際の損益はFX会社の取引画面上に表示されます。
トレーダーがわざわざ計算する必要はありませんが、感覚的にpips表記に慣れておくとリスク・リワードを考慮したエントリーポイントを把握でき、リスク管理する上でも何かと役立ちます。
低スプレッド(pips)!国内FX2社の比較
![]() |
|
---|---|
DMM.com証券(DMM FX) | 0.2銭 |
GMOクリック証券(FXネオ) | 0.2銭 |
![]() |
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---|---|
DMM.com証券(DMM FX) | 0.5銭 |
GMOクリック証券(FXネオ) | 0.5銭 |
![]() |
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---|---|
DMM.com証券(DMM FX) | 0.7銭 |
GMOクリック証券(FXネオ) | 0.7銭 |
![]() |
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---|---|
DMM.com証券(DMM FX) | 1.0銭 |
GMOクリック証券(FXネオ) | 1.0銭 |
![]() |
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DMM.com証券(DMM FX) | 0.4pips |
GMOクリック証券(FXネオ) | 0.4pips |
このように並べてみると、国内業者は一律に近い形でスプレッドを設定しています。海外業者を使用する場合には、ハイレバレッジの取引ができてもスプレッドが広く、結局損につながることもあり得ますので、注意しておきましょう。
今回はFXで特有の表示単位であるPipsについてご紹介しました。注文画面では実際の損益は円でも表示されていますが、FXトレーダーの間ではpipsが使われている場合がとても多く、これからFXのトレード利益を出したいと考えている初心者の方は慣れておいたほうがいいでしょう。
基本的には、米ドル/円やクロス円と呼ばれるユーロ/円などは「1pips=0.01円=1銭」
ユーロ/米ドルやユーロ/ポンドなど日本円が絡まない通貨ペアの場合は「1pips=0.0001通貨単位」と覚えておけば間違いありません。