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米中全面戦争の流れだが、株価はまだ高値水準!為替は円高に警戒したい
ファーウェイへの禁輸措置などが発表されたにも関わらず、先週からのドル高が継続しています。
さらに、円高一服の流れもあってドル円は再び方向感が全く見えなくなりつつあります。
果たして今週の相場、今後の展望はということで、トレード戦略も含めて考えていきたいと思います。
ドル高の調整はあるのか、それとも上限を突き破っていくのか
まず、今の相場ではっきりしているのはドル高という点でしょう。
米長期金利(10年債利回り)が低下し、短期債の金利がそれを上回る逆イールドと呼ばれるリセッション(景気後退)のサインが出ても、かなり強い値動きが続いています。
この背景の一端には、円以外の通貨、ユーロやポンド、オセアニア通貨、そして人民元などがことごとく買えない状況になっているというのがあるでしょう。
ユーロは一旦は経済指標の下げ止まり感もありますが、それ以上に米国の指標が堅調なこと、さらに政治的にはイタリアの財政問題やメルケル(アンゲラ・ドロテア・メルケル)の退陣懸念などが再燃し、嫌気されています。
ポンドは言わずもがなで、ブレグジット問題が混迷を極めています。
23~26日の日程で行われる欧州議会選挙の世論調査では、残留派、2度目の国民投票派、EU離脱派で議席を3分する見通しとなっています。
今後、メイ首相(テリーザ・メイ)の退陣に伴う解散総選挙も想定されていますが、欧州議会選挙の結果をなぞるなら、もはや議会で何らかの合意が打ち出される可能性はほとんどなさそうです。
合意なき離脱も織り込んで、ポンド安が進んでいます。
オセアニア通貨と中国人民元は、対中関税の引き上げやファーウェイの禁輸措置といった貿易戦争懸念で売られています。
オーストラリアの貿易における対中依存度は世界一ですから、中国の状況に左右されます。
このような流れから、消去法的なドル高というのは続いています。
では、なぜ安全資産とされる円が買われないかについては、構造上の問題を指摘する声もありますが、NYダウが高値圏にあることを踏まえると、まだまだリスクが織り込まれていないということもあるでしょう。
今週、そして今後のポイントとしては、このドル高がどこまで続くのかというのがテーマとなります。
ドルインデックス(主要通貨に対するドルのレートを指数化したもの)は、すでに1年ぶりの高値水準にあり、いつ調整が起こってもおかしくはありませんが、今の相場の流れが流れだけに、極端なドル安を見込むのも難しいのかなといったところです。
★(米)4月中古住宅販売件数(21日23:00)
★★(米)FOMC・議事要旨公表(22日27:00)
★(独)1-3月期GDP・改定値(22日16:00)
★★(欧)ドラギECB総裁、発言機会(22日16:30)
★(独)5月製造業&サービス業PMI(23日16:30)
★(欧)ECB理事会・議事要旨公表(23日20:30)
★★(米)4月新築住宅販売件数(23日23:00)
★(英)4月小売売上高(24日17:30)
今週は米欧から重要な経済指標、そして金融政策系のイベントが予定されています。
FRB(米連邦準備制度理事会)やECB(欧州中央銀行)の政策スタンスが注目されることになるでしょう。
FRBは今年の利上げの可能性はゼロなのか、来年以降の利下げはあるのかといったことが注目されそうです。
今年の利上げの可能性が明らかとなると、株式市場は嫌気して、株安からの円高となるでしょう。
ECBはTLTRO(貸出条件付き長期資金供給オペ)の導入や、さらなる緩和策を想定しているかどうかがポイントになります。
緩和的スタンスを堅持するなら、ユーロは一層売られることになりそうです。
ドル円は下値も堅いが上値も重い展開!ショック相場に備えよう
ドル円は110円台をしっかりキープしているものの、戻りも弱く判断に迷うところです。
とはいえ、これだけのドル高に支えられていることを踏まえると、やはり下値リスクを重く見ておきたいところではあります。
消去法的なドル買いが続いていますが、ドルも買えない状態となってドル安に転じれば、自ずと円独歩高という展開が考えられます。
ドル円の日足チャート相場(GMOクリック証券FXネオより)
値動きに乏しいので、目先の上値上限は一目均衡表の雲・加減や21日移動平均線、89日移動平均線の集中している110.70?110.80円近辺が上限となりそうです。
ここまで上げるには相応の材料が必要そうですが、抜けると111.40円近辺にある200日移動平均線も見え、再び110~112円といった狭いレンジでの揉み合い感が強まりそうな点に注意でしょう。
トレード的には、110.50円ぐらいまで戻すのを待ってショートするか、109.90円割れの下げる流れに乗っかってのショートかの2択といったところか。
下値は109.50円、109.00~109.10円が強めのサポートラインとして意識されていますので、利食いを狙うならこの手前か。
もちろん、下げが強ければ追いかけ続けて底抜けを待つのもありでしょう。
110.70~110.80円の上値抵抗を抜けるなら損切りして流れと上値の上限を確認する作業となります。